15年で新築受注が年間75棟に成長した工務店 vol.2

前回、家づくりにおける自社の理念やコンセプトをつくり、お客様に説明できるようにすることが重要だとお話しました。
今回は、『自社の理念やコンセプトの作り方』 をお伝えします。

その方法は・・・
リフォーム会社の会社員から工務店を15年前に設立し、現在は見込みを含めて新築を年間75棟受注(売上16億円)、リフォーム売上6億円やっている工務店社長様がセミナーや研修で語ってくれました。

 

住宅業界を全体的に大局で見ると、中小企業と大手企業がとるべき戦略は違います。全国を商圏対象にしているハウスメーカーや、広域で事業展開するビルダーと、地域工務店がとるべき戦略は違います。

どういうことか、説明します。

キーワードは、

  • セグメント
  • ターゲット
  • ポジション  です。

 

【セグメント】 とは、年齢・性別・職業で分けることをいいます。

年齢を例に考えて見ましょう。子育て世代と建て替えシニア世代では、家の外観・内観の好みや家の大きさ、立地は違いますよね。それを戦略的に分けて考えることをセグメントといいます。

【ターゲット】 とは、文字通り標的です。

年齢・性別・職業でセグメントに分けた属性をさらに分解したものです。
例えば、同じセグメントである30歳の男性会社員でも、高級ブランドが好きな人もいれば、質素な生活で良い、という人もいますよね。漫画やアイドルが好きな人もいれば、漫画もテレビも見ない人もいます。
それぞれの属性によって家を販売するための戦略が違ってくるため、ターゲットを決めるわけです。

【ポジション】 とは、位置取りです。

自社と競合他社の特徴を住宅業界に当てはめた位置取りのことをいいます。
競合他社がローコストか超高級住宅かの二極化になっているのなら、間を攻めるポジションを取るべきですし、自然素材住宅の競合他社があまり強くない地域なら、自然素材住宅のポジションで差別化を計る戦略を取るべきです。

しかし、ポジションに関して、新しいポジションを作り出すのは中小企業にとって得策ではありません。

 

特保の 『ヘルシア緑茶』 を例にしてみましょう。

ヘルシア緑茶(花王)のホームページを見ると、「続けよう。カラダは変えられる。」というキャッチコピーが付いています。そして、説明には「脂肪を代謝する力を高め、体脂肪を減らすのを助ける」と書かれています。意外かもしれませんが、一言も「ダイエット」とは書かれていません。

ダイエットという言葉は、対象者が幅広くて老若男女を問わず全ての人が対象になるため、女性を除外し中高年の男性に絞りました。具体的には“30歳以上のサラリーマン”。これがセグメントです。ヘルシア緑茶は“30歳以上のサラリーマン”のための商品です。

このセグメントについて考え抜いた結果、『体脂肪』というキーワードをひねり出しました。これまでに無かった、体脂肪というポジショニングを作ったのです。

その後、黒ウーロン茶などが追随し、他業界から体脂肪のポジションに入っていったのがライザップです。

(余談ですが、ヘルシア緑茶はコンビニかスーパーのみに販売戦略を絞り、いまだに自販機では売っていないそうです。)

 

ヘルシア緑茶が作り出した『体脂肪』というポジショニング。果たして中小企業が新しいポジションを作り出すことは可能だったでしょうか?
脂肪の燃焼を助ける成分を分解して緑茶に入れる研究開発、いままでにない新たな商品をPRする宣伝広告、商品を手にとってもらうための販売戦略・・・。
果たして中小企業だったら出来たでしょうか? かなり厳しいですよね。

住宅業界に話を戻してみます。

今でこそ『省エネ住宅』や太陽光を搭載した住宅が一般的に普及していますが、ここまで普及するまでにハウスメーカー各社がとんでもない金額の宣伝広告費をかけて、色んなところに働きかけてようやく今のような知名度が実現したはずです。
果たして中小企業が新しく省エネ住宅のポジションを確保することは可能だったでしょうか? かなり厳しいですよね。

中小企業にとって、新しいポジションを作り出すのは得策ではありません。

 

一貫した理念とコンセプトを作るために

自社の理念とコンセプトを作るには、セグメントを分け、ターゲットを絞り、ポジションを決めることです。そのために競合他社を分析し、勝ち抜くための戦略を立てる。

これが、自社の理念とコンセプト作りに必要なことです。

それを社長・スタッフに浸透させ、ホームページ・チラシなど宣伝広告と商品づくりに要素を盛り込む。これが、中小企業にとって必要な戦略です。

 

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