8月1日付けの新聞で、日銀の金融政策についての記事が掲載されました。
これが住宅ローン金利にどんな影響を及ぼすのか? について解説します。
7月31日に行われた日銀の金融政策決定会合の内容が新聞で発表されたのは、まとめると下記の通りです。
- 日本国債の長期金利の上限を現状の0.1%→0.2%まで容認する
- 日銀は、いまの低金利を将来も維持することを決めた
- 2016年9月から行っている金融緩和を「当分の間」続ける
- それに伴い、引き続き長期金利を意図的に0%程度に誘導する
簡単に言うと、今の状態から大きく変えないという内容です。住宅ローン金利は大きく変動しないと予想されます。
しかし!
まったく影響がないかと言えば、そういうわけではありません。あくまでも可能性の話ですが・・・。詳しく説明します。
住宅ローン金利は上がる?下がる?
住宅ローンには変動金利と固定金利がありますが、以前にも解説した変動金利と固定金利の動向について、まずは見ていきましょう。
変動金利・・・政策金利と連動している
少しおさらいすると、
- 変動金利は政策金利と連動
- 政策金利とは、日銀が一般銀行に貸すお金に対する金利のことで、以前は公定歩合と呼ばれていた
- 日銀→銀行へのお金が低コストで調達できれば、銀行→消費者へ低金利で貸し出すことができる
- 現状はゼロ金利政策により、政策金利は低く抑えられている
というものです。
政策金利を下げることで景気回復をしようとする日銀と政府のもくろみがあるので、今後も続くと予想されるゼロ金利政策により、低金利は続く=変動金利は低いままと予想されます。
固定金利・・・10年国債の金利と連動している
少しおさらいすると、
- 固定金利は10年国債の金利と連動
- 現在、日銀は国債を大量に購入し続けている(金融緩和)
- 銀行が日銀にお金を預ける際にかかる金利(現在はマイナス金利)と国債金利も連動している
- 日銀が国債を大量に購入していること、日銀のマイナス金利政策が実行中だということ、の2点により、10年国債の金利は低く抑えられている
というものです。
ここで、今回発表された日銀の金融政策決定会合の内容が関連します。
・日本国債の長期金利の上限を現状の0.1%→0.2%まで容認する
つまり、「今の10年国債の金利水準よりも高くなっても良しとする。」という意味なので、『10年国債の金利が今よりも上がる可能性がでてきた』という事になります。
10年国債の金利が上がれば、住宅ローンの固定金利も上がる。という事です。
しかし、
・日銀は、いまの低金利を将来も維持することを決めた
・2016年9月から行っている金融緩和を「当分の間」続ける
・それに伴い、引き続き長期金利を意図的に0%程度に誘導する
という内容も同時に発表されましたので、言い換えれば金融緩和を当分の間続けることで将来も引き続き長期金利を意図的に低い状態を維持する。
ということです。
金利が上がる可能性は高くなるけれど、それを押さえる動きを引き続きすると発表したことで、市場を混乱させない日銀の配慮が汲み取れると思います。
結論
今の状態から大きく変わることは無く住宅ローン金利は大きく変動しないだろうけれど、上がる可能性はあるため注視していく必要があります。
いかがでしたか?
少し難しい内容だったかもしれませんが、このような知識を持っておくとお客様に説明できますし、それによって信頼を獲得できるチャンスが得られますよ。
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